大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28年(オ)427号 判決

町選挙管理委員会が、町長解職請求代表者から、地方自治法八一条二項、七四条の二第一項に基いて、解職請求者署名簿提出の上、これに署名押印した者が選挙人名簿に記載されたものであることの証明を求められた場合、町選挙管理委員会は、解職請求の理由の内容の当否について審査する権限を有するものでないことは、原判決の判断するとおりである。上告人は、解職請求の理由が虚構であつて憲法に違反すると認められる場合には管理委員会は証明の申請を却下すべきであると主張するけれども、その理由のないことは前段説明するところによつて明らかである。又、原判決には所論のような判断遺脱の点もみとめられない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、全裁判官一致の意見を以て、主文のとおり判決する。

(裁判官 霜山精一 栗山茂 小谷勝重 藤田八郎 谷村唯一郎)

上告代理人弁護士三上啓二、同遠藤周蔵の上告理由

原判決は被上告人等が代表者として為した解職請求者署名簿に署名捺印をした者が選挙人名簿に記載されている者であることの証明を求めた場合には選挙委員会に於てはその当否を実質的に審査する権限を有するものでないと云う理由の下に第一審判決を是認し本件控訴を棄却したのである。然れども

一、上告人が被上告人等の右証明請求を却下した理由は被上告人等の解職請求の理由とする所は虚偽であり且公人たる柏木町長の地位名誉を毀損するものであり、特に党派的反対の立場に在つて不法に町長を解職し以て町政を攪乱するの意図に出てたものであるから之を却下したのである。右は憲法第十二条に依り権利の濫用であり又公共の福祉を害すべきもので正に憲法違反の行為であるから其却下は正当であると主張したのに対し選挙管理委員会には実質的に其の当否を審査するの権限を有しないと云う単なる形式論を以て上告人の主張を排斥せられたのである。

元来右の如き証明請求をする者に対し憲法違反の行為ありとするも尚且之を許すべきものである云う理論は法律上成立たないと思う。即ち憲法違反の行為ありと認めた場合には公正確保の任に当る選挙管理委員会に於ても証明請求の適否を判断し得るものと解すべきである。

二、原判決は本件が憲法違反の行為なりと云う上告人の主張に全く判断を与えていないのである。即ち上告人の右主張は果して憲法違反行為であるかないかは重要争点であるから上告人としては十分検討を加へて判断を受けたかつたのである。然るに此の点に付て一言も触れないのであるから判断遺脱の違法がある。 以上

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